怪物はささやく

ちょっと気になっていた映画を観る。なんか楽しくなってきた。

感想。怪物が思いのほか人型で少しがっかり。あんまり怪物というイメージではなかった。そんなイメージの差はともかく、なんだかちょっと泣いてしまった。おばあちゃんがすごくいい。激情をこらえるシーンとかすごい。娘が病に倒れて、気の合わない孫を預かることになる。でも弱音は言わない。初めから主人公相手に正対しているのがわかって年季の入った強さを感じる。

4つ目の物語を語った主人公と病院まで車を飛ばすシーン、ここが一番好きかも。あんたと私は気が合わない。でも共通点がある。お互いを理解して、これから同じ傷を負う者同士の愛情があるんだなと。

主人公の子供としての感覚が、主人公自身を傷つけていく。多分、怪物がいなければ圧迫された悪夢に駄目になっていたんだろうなって。結構初めからお前を救うためにって言ってるもんな。正直破壊の誘発やら透明人間の下りやらはやりすぎな気もするけど、怪物だもん仕方ないね。子供の潔癖さから本当の気持ちを言えなくなってしまった主人公が、最後に愛情を伝えるシーンが素晴らしいと思う。一面だけでない人間の複雑さを伝えようとする怪物の優しい目に命を感じるね。

エンディングで流れた主題歌を即ダウンロードする。初めて配信サイトを使ったけど、こういう時にすぐ買えるってのは便利よな。いい。