ベイビードライバー

怪物はささやくのCMにて面白そうかなと思ってみてみた。

カーアクションも音楽もよかったんだけど、根本的に犯罪ものって合わないんだなって思った。どうにも感情移入しきれない。ちょっと違った。セッション見た時にも思ったんだけど、海外の映画の冴えない主人公ってのはどうしてああも口説き文句がうまいのやら。すげーかっこいいセリフを簡単に出すからいいよな。ヒロインも美人で肝が据わってる。これは大体そうか。ともあれあまり入り込めなかったな。

 

怪物はささやく

ちょっと気になっていた映画を観る。なんか楽しくなってきた。

感想。怪物が思いのほか人型で少しがっかり。あんまり怪物というイメージではなかった。そんなイメージの差はともかく、なんだかちょっと泣いてしまった。おばあちゃんがすごくいい。激情をこらえるシーンとかすごい。娘が病に倒れて、気の合わない孫を預かることになる。でも弱音は言わない。初めから主人公相手に正対しているのがわかって年季の入った強さを感じる。

4つ目の物語を語った主人公と病院まで車を飛ばすシーン、ここが一番好きかも。あんたと私は気が合わない。でも共通点がある。お互いを理解して、これから同じ傷を負う者同士の愛情があるんだなと。

主人公の子供としての感覚が、主人公自身を傷つけていく。多分、怪物がいなければ圧迫された悪夢に駄目になっていたんだろうなって。結構初めからお前を救うためにって言ってるもんな。正直破壊の誘発やら透明人間の下りやらはやりすぎな気もするけど、怪物だもん仕方ないね。子供の潔癖さから本当の気持ちを言えなくなってしまった主人公が、最後に愛情を伝えるシーンが素晴らしいと思う。一面だけでない人間の複雑さを伝えようとする怪物の優しい目に命を感じるね。

エンディングで流れた主題歌を即ダウンロードする。初めて配信サイトを使ったけど、こういう時にすぐ買えるってのは便利よな。いい。

億男感想

最近はバイクに乗れないせいで感想ばかり書いている気がするな。悲しい。ともあれ億男を観てきたので感想。こんな辺境に来る人間が早々いるとは思わないのけれど、内容を知りたくない人はブラウザバック推奨(昔はこの表現よく見たよな)

俺の個人的な意見だけど、物語は成長した何かがあるのか。それが見た人間に残るのかが良い悪いの境界線だと思っている。お金に押しつぶされた主人公が最後に買ったもの。これはいい映画。

なんて書いときながら結構きついこと書いていたりもするな。まあ感想垂れ流しだから仕方ないな。

何にも情報を入れずに見に行ったのに、始まる前の宣伝で億男流れるという。まあいい、本編である。いきなり金に翻弄される主人公。初めはいかにもここになじんでいませんって顔しているくせに、ちょっと乗せられると完全にアホになる。ちょっと靴はコップにはならないんじゃねぇかな。乗りに乗って前後不覚な主人公から離れ親友がお金を持ち逃げ。ぶっちゃけこの時点まで騒ぎまくりのこの家が誰の家なのかとか全く分からなかったので何が何やら。起きたらだれもいないしお金もない。ここでようやくそんな感じの話なのかなと思いいたる。まあ違ったんですけどね。

冒頭でスマホを取り上げて傍若無人なことをいう女性に連絡を取って親友を追うわけだ。女性から親友の交友関係を伝っていくんだが、これが曲者ぞろい。主人公は観客に近い視点として、それに金持ちの理論を叩きつけてくる。お金とは何か。それを各々の立場から語っていく。はっきり言ってまったく共感できない内容だけど、それも当然で。特に親友の元秘書はやばいな。お金に囲まれていないと落ち着かないってそれこじらせてるよね。まあそういうこともあるのかなと。ここで少し残念だったのが、傍若無人な女性が完全にここで切れるんだよね。一人目を案内した後に別れてそれっきり。なんか登場からあくの強い感じだったし、億男って言葉を使うのもこの人だったから、割と重要人物なのかなって思っていた。まあ出てこないよね。なんか使い方が荒い感じ。まあそこ入れると揉めそうだし、第一主人公についてくる理由もないのはわかるけれども。それはそれとして、主人公の行動自体に疑問符がやたらとつくのが難だったなと。3億当たった時点で混乱するのはわかるけど、一番つらい部分をなぜに解消しないのか。朝から晩までダブルワークして、かわいい嫁と娘とも離れて頑張っているわけで、借金が辛いって言ってるのに解決しない。お金って何なんだろうとかふわっとした疑問を優先してしまう。はっきり言って、ここがしっくりこないせいでこの後の話が全部茶番というか、馬鹿じゃないのって気持ちになる。そりゃ話としては終わるからってその通りだけど、ふわふわとした話しかしないので主人公に共感できない。一番の目標があって、それを解決したいって心から願うなら取るべき手段はそうじゃないよねって。だって盗まれた時点で警察呼べよって思っちゃう。最後まで見れば親友を疑えないって、親友を信じていたってわかるんだけど、ずっとうじうじした煮え切らない態度しているせいでそれが読み取れない。単純に大事にしたくなかったのかなって、事なかれ主義でもやっているのかなって。

ロッコまで行くだけあって回想には力が入っていたように思う。親友がのちに立ち上げる会社の原型が生まれた瞬間ってのが描かれていて、それを聞いた主人公が親友へ本音を語る。このシーンがとてもいい。実は一億稼いでいて起業しますって、俺バカみたいじゃんって。安いところ探してバス使って移動してさ。普通にお前は何でもできたじゃんって。これが本当に本音なんだろうなって。親友が全部出したらついてきたのって聞いたら、そりゃそうだけどさぁって。主人公のすげぇなって言葉が出てくるところがとてもいい。それだけに摩耗した現在の主人公が悲しい。砂漠でただ一人への高座、いつまでも残るんだろうなって。

いろんな人から親友のことを聞いて、お金についての見方を聞いて、疲れて乗った電車で親友が現れる。ここもとても好きだ。空いてる席に金の入ったバッグを置いて、自分も隣に座る。一グラムも変わってないよって。主人公を通してお金の意味を見ていたと。回想でお金が何なのか知りたいと言っていた親友がずっと頭に残っていたのかな。だからお金の使い方を知っていると確信して親友に会いに行ったと。理由はつながってすっきり。借金を返さずに行ったのはさっぱり。別れ方もさっぱり。劇中で繰り返し出てくる芝浜を引用して夢にならないようにと。ぶっちゃけ親友から主人公へのハグシーンや何やらのせいで疑惑が沸いてしまうのが困る。一番濃い形の友情で、そこに強く残った芝浜、本当に主人公を想うのだなと。

娘が自分からねだったバレーをやめさせようとした主人公。娘が欲しがって、でも遠慮していた自転車を買った主人公。冒頭でふわふわしていた主人公がつかんだ何か。きっと悪いことにはならないだろうという予感が締めくくりとなった。自転車を運んでいる主人公の顔がとてもいいなって思った。だからこれはいい映画だな!

文明開化

好きな食べ物についてはリミッターが存在していないらしい。特にみかんはやばい。もしこれから先に糖尿病とかその手の病気になったとしたら、みかんの食べすぎだろう。マジで。食べ過ぎて2個同時に向けるようになってしまった。これは特技といっていいのか? 料理で言うならコンソメスープ。自分でもよくわからないが異様に好き。たまに大き目の鍋一杯に作るものの、なぜかすぐになくなってしまう。大量に作るせいで味が薄くなるのはご愛嬌と思っている。

コンロを買ったのである。ここに引っ越してきてから半年以上が過ぎ、ようやく料理をする気になったわけだ。残念なことに我が家はプロパンなのでガス代が高くなりがち。よってIHクッキングヒーターという選択肢を取った。いろいろと考えた結果、一口コンロ。なにせ男の料理、同時に二つの調理をする可能性は0だ(言い切り)。あとは部屋で鍋とか作ってみたいなって。机が小さいので大きいと問題になる。あとは台所のスペースが狭いので、コンロを置くスペースを全部使ってしまうと炊飯器を置けなくなる。置くと調理スペースなくなるし。よって一口。パナソニックのやつ。まずはで試してみたけど、煮込み料理をするならかなり良好な感覚。結構細かく火力を選べるし、とろ火が安定しているのもいい。反して火力主義者には不満があるだろうと思う。まあ俺は煮込み続ける男なのでかなり満足している。さて、今日作ったコンソメスープはいつまで持つかなっと。キャベツと玉ねぎを追加していってもすぐなくなるのは何でなのか。

バーフバリ

どこから手を付けたもんだか悩むけど、とりあえず面白かった。

印象を一言に圧縮するなら力こそパワー。本当はもっといろいろあるんだけど、これの印象が強すぎる。何なら初めのシーンからそれがある。赤ん坊を片手に抱いて逃げるご婦人。追う影。背中には矢が刺さっていて、いかにも貴族めいた服装は戦いなんてできそうにもない。でも戦っちゃう。というか圧倒したしする。刺さった矢を抜いて武器にするし正面からバッサリ行く。はっきり言ってこの時点で常識は捨てた。捨てざるを得ない。そういう映画である。

時間は飛んで主人公。押しも押されぬやんちゃ坊主である。でもお母さん思い。息子があまりにも破天荒なので、改心しますようにって神頼み。神像に水をかけるインド版水垢離を行う。これがなかなか大変そうで、大きな瓶に水を入れて何度も何度も川まで往復するわけ。それを知った主人公は大事な母親にそんなことはさせられないと自分がやると進み出る。もちろん意味はないよと突っ込み。ならばととった手段が神像を土台から取り外して滝の直下に持っていくわけで。すでになんかよくわからないことに。もちろん効果はない。滝から流れてきた木の仮面から持ち主の顔を再現した結果、滝を登り切って挙句、持ち主にいたずらを仕掛ける始末。正直に言って一番笑った。完全にストーカー(ガチ)。突っ込みどころが多すぎて始末に負えない。

ちょっと書くことが多すぎるのでざっくりの感想。バーフバリが親子二人の話とは思わんかったので、回想が始まった時にはずっと続くとは思わんかった。しかも息子より親父のほうがかっこよかったのがまた困る。まあ王族として育てられた人間と村でやんちゃしてた子供では比較するのがおかしいと言えばその通りなのだが。ともあれバーフバリ(父)の最後が語られたところでいきなりto be continuity…。まじか。こんなところで終わるのかい。

個人的に映画は一本で完結させるべきだと思っている。続編があるのは構わないけど、ある程度締めてもらわないと困る。初めから前後編ならいいのだが、前情報一切なしで見たのが災いした。バーフバリ単体ではちょっと評価は低くならざるを得ないな。王の帰還についてはまた後日。

プーと大人になった僕

予告を見て大変気になっていたため映画館へ足を運ぶ。感想を一言でまとめるなら、いい映画だったということ。

くまのプーさんについて知っていることは実はあまり多くはない。子供のころにはアニメという形で楽しみに見ていた記憶があるが、それも本筋には至らずクリストファーロビンすらどういった人間なのか不明だった。そんな状態でもさすがはディズニー。導入から親切である。クリストファーロビンとプーとの別れはどういったものだったのかが描かれる。寄宿舎学校というのもなじみがないものだが厳しさが伝わってきた。迫る現実に毛布のような空想は捨てざるを得なかったクリストファーロビン。一足飛に青春と成長が描かれて、メインの話に入っていく。

吹き替えで見たのでプーをはじめとする100エーカーの仲間たちに何ら違和感はなく。しかし改めてぬいぐるみになると不思議な気持ちだ。はちみつを踏んずけるプーにはちょっとクリストファーロビンの気持ちが分かった。特に前半ではプーに向かってプーの知らない論理で動くクリストファーロビンが辛かった。全幅の信頼を投げかけるプーに答えられずにいるから、プーが可愛そうに思えた。どちらの気持ちも立場もある程度共感できるだけにままならないつらさがあった。森に戻ってプーとはぐれてからは動き出した感覚が気持ちいい。濡れたイーヨーの柔らかそうな動きやネガティブ極まりない根暗発言が癖になる。昔はティガーが一番好きだったけど、今はイーヨーが一番かもしれない。そして一人で何かと戦う遊びを見てクリストファーロビンだと気が付くシーン。やっぱり当時から変に思っていたんだろうなぁってほっこりした。

個人的にクリストファーロビンが見つかってしまうシーンは微妙な疑問が。父親が来てくれたけどすぐに帰ってしまうことに対してあんな風に反応するんだなって。今の俺には忙しくても顔を出してくれたんだと考えるけど、子供なら確かにもう帰るんだって怒るんだろう。もうそういう気持ちがすぐに出てこない。すこし寂しさを感じた。

そこからはプーたちの冒険やら厄介な上司に逆ねじ食らわせたり。あんまり語ることはないかなと。いい悪いではなくてきっちり型にはまった展開なので口を挟む部分がないように思えて。

個人的にはとてもいい映画だなと思った。俺みたいに中途半端な知識だけでも問題なく見られるし、大事なものが何かっていうことを伝えたいんだなとわかる。なんだかほっこりしたな。

ペンギンハイウェイ

映画すっごく良かった。それだけを書きたい。初めて森見登美彦作の本を読んだのは高校の時で、夜は短し歩けよ乙女だった。日常からすっと非日常な風景が描かれるものだからどっぷりはまってしまった。おまけに変にこじらせた男子学生というツボをついてくるものだから大変だった。そんな中でも一番好きなのがペンギンハイウェイだったわけで。アオヤマ君のすっとぼけた真面目っぷりにやられ、お姉さんの魅力に腰砕けになった。気に入った本は定期的に読み返したりするが、ペンギンハイウェイの頻度はかなり高い。頭の中で映し出されていたストーリーが実際に映画になっているってんだからもうたまらない。思わず漫画版は買うし、設定資料集も買うし、公式読本も買った。カバー裏がノートになっていてちょっとうれしい。書下ろしの郵便少年もとてもよかった。ブルーレイ出るのが楽しみでならない。実は入りきらなかったシーンとか入れてくれないかな。さすがにないよな。ともあれ大変心がウキウキと弾む映画だったなぁ。タイミングが合えばもう一度映画館で観たいと考えるものだ。