プーと大人になった僕

予告を見て大変気になっていたため映画館へ足を運ぶ。感想を一言でまとめるなら、いい映画だったということ。

くまのプーさんについて知っていることは実はあまり多くはない。子供のころにはアニメという形で楽しみに見ていた記憶があるが、それも本筋には至らずクリストファーロビンすらどういった人間なのか不明だった。そんな状態でもさすがはディズニー。導入から親切である。クリストファーロビンとプーとの別れはどういったものだったのかが描かれる。寄宿舎学校というのもなじみがないものだが厳しさが伝わってきた。迫る現実に毛布のような空想は捨てざるを得なかったクリストファーロビン。一足飛に青春と成長が描かれて、メインの話に入っていく。

吹き替えで見たのでプーをはじめとする100エーカーの仲間たちに何ら違和感はなく。しかし改めてぬいぐるみになると不思議な気持ちだ。はちみつを踏んずけるプーにはちょっとクリストファーロビンの気持ちが分かった。特に前半ではプーに向かってプーの知らない論理で動くクリストファーロビンが辛かった。全幅の信頼を投げかけるプーに答えられずにいるから、プーが可愛そうに思えた。どちらの気持ちも立場もある程度共感できるだけにままならないつらさがあった。森に戻ってプーとはぐれてからは動き出した感覚が気持ちいい。濡れたイーヨーの柔らかそうな動きやネガティブ極まりない根暗発言が癖になる。昔はティガーが一番好きだったけど、今はイーヨーが一番かもしれない。そして一人で何かと戦う遊びを見てクリストファーロビンだと気が付くシーン。やっぱり当時から変に思っていたんだろうなぁってほっこりした。

個人的にクリストファーロビンが見つかってしまうシーンは微妙な疑問が。父親が来てくれたけどすぐに帰ってしまうことに対してあんな風に反応するんだなって。今の俺には忙しくても顔を出してくれたんだと考えるけど、子供なら確かにもう帰るんだって怒るんだろう。もうそういう気持ちがすぐに出てこない。すこし寂しさを感じた。

そこからはプーたちの冒険やら厄介な上司に逆ねじ食らわせたり。あんまり語ることはないかなと。いい悪いではなくてきっちり型にはまった展開なので口を挟む部分がないように思えて。

個人的にはとてもいい映画だなと思った。俺みたいに中途半端な知識だけでも問題なく見られるし、大事なものが何かっていうことを伝えたいんだなとわかる。なんだかほっこりしたな。